私という葉っぱを好む虫もどこかにいるのか

お酒を飲むのはもっぱら家なのだけれど、通っているバーが一軒だけある。そこの店員さんから、最近マッチングアプリで知り合った女性と初デートでカニを食べに行ったと聞いた。カニは相手の希望だったらしい。

これが俗にいう「いただき女子」ってやつか。でも初デートでカニを所望するなんてアクセル踏みすぎでは？それとも特に裏はなくて天然がすぎるだけなんだろうか。

店員さんも「言うやないかい」とは思ったものの、どんな人がくるか見てやろうじゃないか、ネタにもなるしとの気持ちでカニを食べに行ったらしい。特別カワイイわけではないがブスというわけでもない女性と、めちゃくちゃ盛り上がるわけではないがつまらなくもない時間を過ごしたとのこと。

バーの店員なんて毎日のようにお客さんと会話しなくちゃいけない。この先のない人とのデートでカニはそれなりの出費だろうが、本人も言う通りネタとして使えれば経費と割り切れるか。そう思っていたのになんと来週二回目のデートに行くらしい。なんで!?

曰くあまりの図々しさに胸がときめいたとのこと。蓼食う虫も好き好きって本当なんだな。

世界は広い。だから葉っぱに例えるなら棘だらけで色も悪く、一目見ただけで毒があるとわかる私でも、もしゃもしゃ食べつくせるような人がいるのかもしれない。会いたいような、会いたくないような。

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