企業努力を無駄にしていく女

絵日記

クローゼットを片付けたい。片付ければいいじゃないかと言われそうだが、このクローゼットは引っ越して以来約8年、一度も掃除らしい掃除をしていない魔窟なのだ。正直奥から何が出てきても不思議ではない。変なキノコが生えていても驚かない。

職場の先輩に相談したところ、バ●サンを炊けばいい、生きているものより死体を相手にする方がマシだ、と大変ありがたいアドバイスをいただいた。普段おっとりしている先輩だけど、実は怖い人なのかもしれない。言葉遣いに気を付けよう。

善は急げということで、近所のドラッグストアで競合製品のアー●レッドを買ってきた。バ●サンなかったけど販売終了してる?

私としては強力タイプでありとあらゆる不快生物を一網打尽にしたいところだけれど、集合住宅ではそうもいかないらしい。アパート・マンション用のスプレータイプを使うことにした。煙が出ないから火災報知器も鳴らないし、家具や家電のカバーもいらないらしい。ズボラに優しい。

……とは書いてあったけど、結局部屋中のそれっぽい機器にカバーをした。ズボラだけど根がビビりだから「万が一でも使用中に機器が作動したらどうしよう……」「ベル鳴ったらセコム的な人が来るの?アー●レッド使ってましたとか言ったら呆れられる……」と考え出すともうダメ。

集合住宅の人が安心して使えるように色々考えて作ったであろうに。ビビりは企業努力をぺちゃんこに踏みつぶしてしまうのである。

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