
子どもの頃は灯油のにおいが冬の訪れのサインだった。私の実家は新潟の中でも海沿いにあるので、他県の人が想像するほど豪雪エリアではない。それでも寒さは厳しいので、冬は石油ファンヒーターが大活躍する。朝玄関を出てあの灯油独特のにおいが漂ってくると(灯油を保管している物置が玄関の近くにあった)、クリスマスやお正月が近づいてきたのだと胸を弾ませていた。
京都に来てからは灯油とはとんと無縁の生活になった。盆地なので朝晩はかなり冷えるのだけれど、石油ファンヒーターの出番がないあたり、「言うて京都の寒さも雪国のそれと比べたらこんなもんよな」という気分になる。当たり前だが。
灯油のにおいに代わって私に冬の訪れを教えてくれるものができた。かかとの乾燥である。
秋まではまぁツンドラと呼べなくはないかな、レベルの生態系は維持していたはずなのに、なぜ冬になると突然不毛の大地となってしまうのか。NPOだって植樹をあきらめるレベルである。
帰宅後くつしたを脱ぐときに引っ掛かりを感じたらそれが冬のサイン。春になるまで、私はこの不毛の大地になんとか生命を根付かせんとクリームを塗り続けるのである。
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