職場に果物は好きだが熱を加えたものは嫌いと話す人がいる。例えばりんごは好きだけどアップルパイはダメ。でもジャムは平気でコンポートはものによるらしい。周囲の人間にはよくわからないが、本人の中には明確に好き嫌いのラインがあるようだ。
こういう他人にはその違いが理解できないが、本人にとっては天と地ほどの差があるもの、実は多いんじゃなかろうか。そう思った出来事があった。
ハマるとそればっかり食べる先輩から、現在絶賛ドはまり中と語るフォーのおすそ分けをいただいた。チキンラーメンのような袋入りの乾麺タイプ。それだけで食べても味気ないのでわざわざ鶏モモ肉も用意し、お湯を沸かしていざ食べようとなった瞬間に気が付いた。この間どんぶり落として割ったんだった。
あいにくどんぶりに匹敵するサイズの大皿はない。でも口の中は完全にフォーなのだ。今からメニュー変更してもこの思いは満たされない。鍋にはせっかく煮込んだ鶏モモ肉もある。
苦肉の策で取った手段は、手持ちの中で唯一どんぶりに並ぶサイズの容器で食べること。それはタッパー。
普段は煮物なんかを保存しているタッパーに乾麺と粉末スープを入れてお湯を投入。3分待って鶏モモ肉と小ねぎを散らせばできあがり。味に問題はない。タッパーも耐熱だから変形することもないし火傷もしない。
ただ虚しい。タッパーに麺を入れてそれをすする自分の姿がなんとも悲しい。鍋ラーメンは許せるし、タッパーでおかずを食卓に出すのなんかしょっちゅう。それなのにタッパーでフォーを食べるのは無理。もう二度としないと心に誓った。
これを人に話しても理解はしてもらえないだろう。でも私の中でアイラインもかくやというくっきりとしたラインが引かれた。
鍋はOK、タッパーはダメ。
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