関西に来てから色々な文化の違いに直面してきたが、とりわけ印象深いのが「十日戎(とおかえびす)」である。
十日戎とは七福神の一柱であり、商売繁盛を司る恵比須様をまつるえびす神社の例祭だ。縁起物の福笹や熊手を求めて多くの人が集まる。
私が初めて十日戎に遭遇したのは大阪、もう10年以上前になる。当時の職場が難波だったのだが、そこから南海線で一駅先にある今宮戎駅のすぐ側、駅名にもなっている今宮戎神社で例祭が行われていた。なんばは大阪でも有数の繁華街であるが、南海の難波駅は中心エリアからは割と離れたところにある。そのため、当時は繁華街にしては落ち着いていたと記憶している。
ただその日は違った。今宮戎神社から難波駅までのおよそ1㎞にわたって屋台が隙間なく立ち並び、様々な飾りつけをされた笹や熊手を持った人々が行き来している。別時空に迷い込んだかと思うくらい、普段の静けさが消し飛んでいた。
その時初めて十日戎の存在を知り、なるほどやはり大阪は商人の町だと納得したのだった。
京都では八坂神社からほど近い「京都ゑびす神社」で例祭が行われる。十日戎は基本的に1月9日の「宵戎」、1月10日の「本戎」、1月11日の「残戎」の3日間なのだが、京都ではなぜか前後に1日ずつ追加されて5日間。なので毎年期間中の休みの日にふらりとお参りしている。
商売繁盛の性質上、熱心に参拝しているのは自営業の人が中心だ。会社員である私がお参りしたところで果たして意味があるのかと思うのだが、楽しいので良しとする。勤め先の会社が繁盛して給料が上がりますように、といささか他力本願な願いを込めて参拝。あの優しい顔の恵比須様でも真顔で却下するかもしれない。
さすがに熊手や笹を授与してもらってもスペースがないため、毎年おみくじだけ引くことにしている。粉雪舞い散る中受け取ったおみくじはなんと「凶」!!
生まれて初めて目にした。凶を引いたと聞くたび、「おみくじに凶って入ってるんだ」とか思ってたが入ってた。凶は本当にあったんだ!ちょっと感動……
良い経験したとは思うがもう起きなくていいかな。私は初詣で「吉」を引いているため、年間の運勢はこっち。
これはあくまでも「今日」だけの運勢。1年もあったら運勢の波ってあるもんだし。たまたま今日、運悪かっただけ。
と思ってたらさっき職場から休日出勤の打診が来た。ほら!やっぱり!おみくじ当たった!いや、当たってほしくはなかったが。
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