真相は闇の中、ってことで…

おいしい日記

今でこそ男性だって家事や育児をという風潮だけど、私が子供のころ最低でも15~16年前まではこういうのは母親の仕事という認識が強かったと思う。少なくとも我が家はそうだった。

母はお昼から夜6時ごろまでパートタイムで働いていたため、午前中に掃除・洗濯・夕飯の準備を終えて、仕事から帰ってくると準備したものを仕上げる、という生活スタイルだった。高校を卒業して地元を離れるまで、誕生日や年末年始などの特別な日を除いてほぼ毎日、母の手作り料理を食べていた。父親がキッチンに立っている姿は見たことがない。

今振り返ってみるとものすごく恵まれた生活だったと思う。「もうちょっと手伝えよ、私」とか「『ビール』」じゃねーよ、それぐらい自分でやれよ。」って自分や父親の横っ面を張り倒したいぐらい感謝している。ただ、子どものころはだいぶわがままな思いを持っていた。

母の勤務先では年に数回、終業後に勉強会を行っていて、それは正社員やパートといった契約条件に関係なく全員参加だった。父親の帰りも遅いため、そういう日の夕食は最寄りのラーメン屋もしくはほっかほっか亭の弁当だった。私はこの日が大好きだった。

(めちゃくちゃ恵まれていたことだったのに!)毎日母の料理を食べていたから、「それ以外のものが夕飯に出る=特別な日」だった。同居している祖母がいたが、父も母も遅くまで帰ってこない、というのもなんともスリリングだった。

なんだかんだと色々お世話になっていたほっかほっか亭だが、時代の流れとともにド田舎の実家近くにもコンビニができ、それが原因かはわからないが近くの店舗は廃業してしまった。進学・就職でそれなりに各地を転々としてきたが、なぜか行動範囲内に店舗を見かけることがなく、気づけば最後に利用してから10年以上が経っていた。それが現在住んでいるところから、「まぁ天気も良いし、ちょっと遠くまで散歩しようかな。」という距離に店舗があることを発見したため、久しぶりに食べてみることにした。

ほっかほっか亭は当時からたくさんの種類の弁当を取り扱っており、私もパンフレットを見ながら毎回あれこれと悩んでいたが、結局いつも同じものを注文していた。「とりめし」だ。ご飯の上からあげがのっていて、甘辛いタレをどばっとかけて食べる。

ほっかほっか亭は1個から電話注文ができるとのことだったので、待たなくてもいいように朝のうちに注文しておく。休日だったが13時に予約しておいたからか待つことなくスムーズに受け取れた。子供のころを思い出しつつ、冷めないように早足で帰る。

弁当は期間限定商品のチラシと一緒に輪ゴムでとめられていて、「これ!このスタイルは変わってない~~~!!」と謎にテンションを上げながらタレをかけ、いざ実食!と箸をつけると

…薄くない?

あれ、とりめしってこんなんだったっけ?記憶ではもうちょっと大きかったような…弁当間違えた?あれ唐揚弁当とかだった?思い出フィルターかかってる?

混乱しながらもお腹はすいているので食べ進める。出来立てだから衣はザクザク。なんというかつるっとしている感じの衣。タレは甘みが強くてご飯との相性も良い。付け合せはミートボールとしば漬け。(付け合わせに関しては昔の記憶がない。)ミートボールのあんは酸味が強め。タレが甘いからしば漬けとこのミートボールがアクセントになって飽きることなく食べ進められる。でもペース配分間違って毎回最後にご飯がちょっと残るんだよね。

おいしい。おいしかったんだけど、解せない。変わってしまったの?時代の波に流されて、変わっちゃったの?知るの怖いので私の思い出フィルターがかかってた、ってことにしておきます。いやでもほんと解せない…

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