老舗の歴史

おいしい日記

たまに無性に菓子パンが食べたくなる時がある。先日この発作が起きたので、進々堂でパンを買ってきた。進々堂は志津屋と並ぶ京都のローカルパン屋。

進々堂も志津屋も京都のどこにでもある印象だけど、店舗数は進々堂が11店舗で志津屋が21店舗(2021年12月現在)。書き出してみるとそうでもない。百貨店と主要駅の近くにはあるからそういう印象を受けるのかも。ちなみに創業者である続木 斉・ハナ夫妻が進々堂を開業したのが大正2年の1913年。志津屋は昭和23年の1948年創業なので、歴史の長さは進々堂に軍配が上がる。

続木 斉は1924年に日本人初のパン留学生として、パリを拠点にヨーロッパを巡り、パン作りの理論や実技を学んだそう。帰国後日本で初めて包装食パン(スーパーで売ってる『超熟』とかのタイプ)を発売。京都や日本のパンの発展に寄与した人のようだ。

進々堂も志津屋もイートインスペースを備えたお店があるけど、進々堂はパンのみならずカレーやパスタなんかのしっかりしたメニューも食べられるレストラン形式の店舗が存在する。私はこれに絡んでしばらく勘違いをしていたことがある。京都大学の北門前にも「進々堂」の看板を掲げた店舗がある。ここは京都を舞台にした多くの作品を発表している森見登美彦先生の作品の1つ、「夜は短し歩けよ乙女」で作中に登場するカフェ。ファンにとっては聖地の1つ。

実は私も森見先生のファンなので、京都に越してきてすぐ行った。外観も内装もすごくレトロ。店内がめちゃくちゃ静かで会話を躊躇うぐらい。あのあたりで待ち合わせしてたのかな~とか、妄想に浸りながらコーヒーを飲んだ記憶がある。

「進々堂」なのでもちろん街中で見かけるパン屋の店舗の1つだと思っていた。雰囲気もメニューも大分違うけど、1号店なのかな、と。実は京大北門前の進々堂は1930年に斉がパリで見たカフェを再現してできた店舗。現在は「京大北門前カフェ進々堂」として別法人が経営している。ここの会社の社長がパン屋の進々堂の社外取締役らしいので、一応グループ会社ということになるのかな。この流れを汲んでいるのか、進々堂の店構えはシックなところが多い気がする。

今回買ったのが「ノエル ノワール」と「ノエル ブラン」。冬の限定商品。横10cm、縦6cmほどの小ぶりなサイズで1個150円(税込み/テイクアウト価格)。クロワッサンの上にチョコレートがかかっている。ノワール(noir)はフランス語で「黒」、ブラン(blanc)は「白」なので、チョコレートの色からの命名なんだろうな。ちなみにノエル(noel)は「クリスマス」。ノワールのトッピングはピスタチオでブランはドライいちご。

クロワッサンはバターたっぷりの生地で、そこに+チョコレートはくどく思うかもしれないけど、サイズもあってペロッといける。小腹がすいた時とか、値段的にもおやつにはちょうど良い。特別おいしい、というわけではないけど安定したおいしさ。こういう小ぶりで甘い菓子パンとか定番化してくれないかな。私がふだんあまり行かないだけであるのかな。

進々堂はイートインメニューも気になってるけど、未だに行ったことがない。もうちょっとあったかくなってからテラス席とか挑戦してみようかな。

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